福利厚生費に関する税務上の取扱いについて、今週から具体的なケースについてご紹介します。

今回は、賄いの損金算入要件についてお話します。

●賄いの損金算入要件
 飲食店などでは、店のメニューや店の食材を利用した食事を
 従業員に賄いとして提供することがあります。
 また、飲食店以外で従業員に弁当などの食事を提供する場合もあります。
  このように、役員及び従業員(以下、「従業員等」という)に提供した食事は、
 次の2つの要件をいずれも満たしている場合、損金に算入できます。

 1.従業員等が食事の価額(※)の半分以上を負担していること
 2.次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること
   (食事の価額)-(従業員等が負担している金額)

   (※)食事の価額とは
     ・ 仕出し弁当などを取り寄せて支給している場合
      →業者に支払う金額
     ・ 社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合
      →食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額

●要件を満たさない賄いの取扱い
 食事の価額から従業員等が負担している金額を差し引いた金額が
 給与として課税され、源泉徴収の対象となります。
 なお、例えば1か月当たりの食事代が5,000円で、
 従業員等が負担している額が1,000円の場合、
 課税対象となるのは4,000円(5,000円-1,000円)です。
 3,500円を超える額ではないのでご注意ください。

●現金で食事代の補助をする場合
 深夜勤務者に夜食の支給ができないために
 1食当たり300円(税抜き)以下の金額を支給する場合を除き、
 補助をする全額が給与として課税されます。

●無償で提供しても課税されない賄い
 残業又は宿日直を行うときに支給する食事は、
 無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。

福利厚生用の食事補助サービスでは、
全国にある飲食店やコンビニエンスストアで利用できる食事券を
会社が従業員に支給するというものがありますね。
例えば、従業員が3,500円を負担すると、
会社から7,000円分の食事券が支給されるというものです。
利用方法次第で損金算入の要件を満たさなくなるため、
月額の限度額を設定したうえで、
利用を食事に限定して利用履歴も管理・証明できるようにしているようです。

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