昨今、「働き方改革」が叫ばれています。「働き方改革」は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や働く方のニーズの多様化などの課題解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指すものです。

「働き方改革」を推進する上で重要視されているのが、会社の福利厚生です。福利厚生制度が充実している会社では従業員が定着し、新規採用の際にも優秀な人材を確保しやすくなります。

さて、今回から数回にわたり、福利厚生費に関する税務についてお話したいと思います。
従業員にとって魅力的な福利厚生制度であっても、税務上の要件を満たさない場合は福利厚生費として損金算入できず、従業員の給与や交際費として課税されるため注意が必要です。

本日は、福利厚生費の基本的な取り扱いについてお話します。

●福利厚生費の税務上の取扱い
 福利厚生費は税金の計算上、全額損金算入することができます。
 ただし、会社が福利厚生を目的として支出した費用すべてが損金に算入できるということではなく、福利厚生費と して損金算入するためには、一定の要件を満たす必要があります。

●損金に算入できる福利厚生費の要件
 福利厚生費について税務上、明確な規定はありませんが、一般的に税務上の福利厚生費として損金算入するためには、次の要件を満たす必要があります。

 (1) 機会の平等
  役員を含むすべての従業員を対象とするものであること。
  特定の役員や従業員を対象とする場合は、税務上の福利厚生費には該当しません。

 (2) 金額の妥当性
  支出する額が、支給する役員や従業員の立場に照らし、社会通念上妥当な金額であること。

それでは、次回から具体的なケースについての税務上の取扱いに関して
お話したいと思います。

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