前回に続き、民泊に関する税金のお話です。

民泊により収入が得られる一方、下記の税制優遇を受けられなくなる、
もしくは優遇される金額が減少する場合もあります。

1.住宅借入金等特別控除
住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、床面積の2分の1以上に相当する部分をもっぱら自己の居住の用に供しているなどの要件を満たす必要があります。そのため、その対象となる住宅を 下記(1)~(4)に区分した上で、総床面積のうち生活用部分((1)と(3)の合計)に占める割合が2分の1以上ではない場合は住宅借入金等特別控除を適用することができません。

   (1) 住宅宿泊事業に利用しない生活用部分
   (2) 住宅宿泊事業にのみ利用する業務用部分
   (3) 生活用にも業務用にも利用する併用部分のうち、主に生活用として利用する部分
   (4) 生活用にも業務用にも利用する併用部分のうち、主に業務用として利用する部分

また、住宅借入金等特別控除の控除額は、住宅借入金等の金額に、総床面積のうち生活用部分の占める割合を乗じた金額を基礎として計算します。

なお、通常居住の用に供している家屋を特定の期間(年間合計で1か月未満程度)に限って民泊に供している場合には、その家屋の全体を「生活用部分」として、住宅借入金等特別控除を適用しても差し支えありません。

2.居住用財産の3,000万円の特別控除
マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。民泊に利用している家屋に「現に居住している」場合は、原則として特別控除の適用を受けることができます。 ただし、控除が受けられるのは居住部分に限られます。

3.固定資産税・都市計画税の優遇
住宅用地については固定資産税等の課税標準の特例措置が設けられており、一般住宅用地では固定資産税の課税標準が1/3(小規模住宅用地は1/6)、都市計画税の課税標準が2/3(小規模住宅用地は1/3)と税負担が軽減されています。しかし、民泊を営む規模によっては住宅用地の要件を満たさなくなり、特例措置が受けられない可能性もあります。

民泊は新たな不動産投資をしなくても自宅の空き部屋を活用することで収入を得られることから、気軽な印象がありますが、税金面で様々な影響があります。

これから民泊を始めようとされている方は慎重にご検討されることをおすすめします。

また、民泊を行う際には住宅を管轄する都道府県へ届出が必要です。届出をせずに行う民泊は、「ヤミ民泊」として処罰(1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金)を受けます。

▼詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。
・国税庁
「住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業により生じる所得の課税関係等について(情報)(平成30年6月13日)(PDF)」
http://c1c.jp/1882/DMxYpT/18
・国土交通省
「民泊制度ポータルサイト」
http://c1c.jp/1882/C6hEDx/18

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