少し空いてしまいましたが引き続き、福利厚生費の税務に関するお話です。
本日は、永年勤続者に対して支給されるギフト旅行券などの取扱いについてお話します。
会社が永年勤続者にギフト旅行券や記念品を支給することがあります。金銭を支給する場合には、給与もしくは賞与として課税されますが、旅行券や記念品の支給については、一定の要件を満たす場合は給与として課税しなくて差し支えありません。
●永年勤続者に支給する旅行券
一般的に、旅行券は有効期限もなく、換金性もあることから、実質的に
金銭を支給したことと同様になり、原則として給与等として課税されます。
ただし、次の要件をすべて満たしている場合には、給与として課税され
ません。また、支給した会社では福利厚生費として損金に算入できます。
(1)旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること。
(2)旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を
含みます。)であること。
(3)旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、
所定の報告書に必要事項(旅行実施者の所属・氏名・旅行日・旅行先・
旅行社等への支払額等)を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を
添付して会社に提出すること。
(4)旅行券の支給を受けた者が当該旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部
又は一部を使用しなかった場合には、当該使用しなかった旅行券は
会社に返還すること。
●永年勤続者に支給する記念品
永年にわたって勤務している人の表彰に当たって支給する記念品などは、
次の要件をすべて満たしている場合には、給与として課税されません。
また、支給した会社では福利厚生費として損金に算入できます。
(1)その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額
以内であること。
(2)勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としていること。
(3)同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね
5年以上の間隔があいていること。
なお、記念品の支給に代えて現金、商品券などを支給する場合には、
その全額(商品券の場合は券面額)が給与として課税されます。
また、本人が自由に記念品を選択できる場合にも、その記念品の価額が
給与として課税されます。
要件をみたさず給与として課税される場合で、支給する対象が役員である
ときは、定期同額給与または事前確定届出給与のいずれにも該当しないため、
損金の額に算入できません。
▼詳細は下記国税庁ウェブサイトをご覧ください。
・タックスアンサー「No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき」
http://c1c.jp/1882/tcgkmX/31
・「永年勤続者に対する旅行券の支給」
http://c1c.jp/1882/UPQrUM/31
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