今月8日、国税庁は平成30事務年度における法人税等の調査事績の概要を公表しました。
調査事績の概要では、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査の必要度が高い法人について実地調査を実施した結果を公表しています。
平成30事務年度では、法人税の実地調査を実施した法人は9万9千件であり、前年度の9万8千件から1千件増加しています。
調査結果は、法人税の非違があった法人は7万4千件であり、申告漏れ所得は1兆3,813億円、追徴税額は1,943億円でした。
なお、法人税で不正発見割合が高い業種では、1位「バー・クラブ」70.3%、2位「外国料理」46.7%、3位「大衆酒場、小料理」46.3%でした。
上記の他、法人消費税等、源泉所得税等の調査事績や海外取引法人等、無申告法人、消費税還付申告法人に対する取組についても公表されています。
最近、芸能人の個人事務所が複数年にわたり無申告であったニュースが大きく取り上げられました。
事業を行っているにもかかわらず申告をしていない法人を放置しておくことは、納税者の公平感を著しく損なうものであることから、国税庁では、登記情報等から法人を把握した上、無申告法人を的確に管理するとともに、こうした事業を行っているにもかかわらず申告をしていない稼働無申告法人に対する調査に重点的に取り組んでいるとのこと。
平成30事務年度では、事業を行っていると見込まれる無申告法人に対し実地調査を実施し、法人税76億円(前年対比151.4%)、消費税66億円(同112.7%)、合わせて142億円(同 130.5%)を追徴課税しました。
このうち、稼働している実態を隠し、意図的に無申告であった法人に対し、法人税 43億円(同160.2%)、消費税22億円(同136.7%)を追徴課税しました。
▼詳細は下記国税庁ウェブサイトをご参考ください。
・平成30事務年度 法人税等の調査事績の概要
http://c1c.jp/1882/YcK26W/61
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