年末調整が終了すると、令和4年分の給与の源泉徴収事務が始まります。
令和4年分から変わる事項と実務上の留意事項を事前に確認し、計算誤りや必要な書類の入手漏れなどがないようにしましょう。
<令和4年分から変わる事項>
●退職所得課税の見直し
短期退職手当等に係る退職所得の金額については、次のとおり計算することとされました。
(1)短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額≦300 万円の場合
(短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額) × 1/2= 退職所得金額
(2)短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額>300 万円の場合
150 万円(注1)+{短期退職手当等の収入金額 -(300 万円 + 退職所得控除額)}(注2)
=退職所得金額
(注)1 300 万円以下の部分の退職所得金額
2 300 万円を超える部分の退職所得金額
短期退職所得等とは、短期勤続年数(役員等以外の者として勤務した勤続年数が5年以下)
に対応する退職手当等として支払を受けるもので、特定役員退職手当等に該当しないものをいいます。
【退職所得金額の計算】
退職所得の金額は、その年中に支払を受ける退職所得等の収入金額から、その人の勤続年数に応じた退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額となります。
(退職手当等の収入金額-退職所得控除額)× 1/2(注)=退職所得金額
(注) 特定役員退職手当等については、「2分の1課税」の適用なし
<実務上の留意事項>
●扶養控除等(異動)申告書の受理
給与の支払を受ける人は、毎年最初に給与の支払を受ける日の前日までに扶養控除等(異動)申告書を給与の支払者に提出しなければなりません。2か所以上から給与の支払を受けている人は主たる給与の支払者に提出します。
また、地方税法の規定による「給与所得者の扶養親族申告書」についても毎年最初に給与の支払を受ける日の前日までに給与の支払者に提出しなければなりません。
なお、扶養控除等(異動)申告書の用紙は、地方税法の規定による「給与所得者の扶養親族申告書」と統合した1枚の様式となっています。
給与の支払者は、「令和4年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の用紙をあらかじめ各人に配付しておき、その記載が終わったときは確実に回収するようにご留意ください。
なお、一定の要件の下で、書面による提出に代えて、電磁的方法による提出を受けることができます。
電磁的方法による提出を受けるためには、税務署長の承認が必要でしたが、令和3年4月1日以降は不要となりました。
▼詳細は下記国税庁ウェブサイト等をご覧ください。
・令和4年版 源泉徴収のしかた
http://c1c.jp/1882/TgRPAS/122
・「令和4年分の給与の源泉徴収事務」(PDF)
http://c1c.jp/1882/puDPQN/122
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