今年は、立て続けに大型台風が上陸し、甚大な被害が全国各地で発生しました。
被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

被害状況をうけ、10月18日、政府は台風19号による災害を「特定非常災害」に指定することを閣議決定しました。
阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、平成30年7月豪雨に続き、今回で6例目の指定となります。

「特定非常災害」に指定された場合、「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」に基づき、行政上の権利・利益の満了日の延長等に関する各種の特別措置が適用されることになります。
台風19号による災害については、次の措置が適用されます。

1.行政上の権利利益の満了日の延長
  特定非常災害の被害者が、自動車運転の免許のような有効期限のついた許認可等の
 行政上の権利利益について、更新等のために必要な手続をとれない場合があることを
 考慮して、許認可等に係る有効期限を令和2年3月31日まで延長することができること。
 ※ 延長措置を講ずる具体的な行政上の権利利益、地域、対象者及び延長後の満了日は、
 可能な限り速やかに各府省等の告示により別途指定することとされています
 (令和元年10月18日時点)。

2.期限内に履行されなかった行政上の義務の履行の免責
  事業報告書の提出、薬局の休廃止等の届出のような履行期限のある法令上の義務が、
 特定非常災害により本来の履行期限までに履行されなかった場合であっても
 令和2年1月31日までに履行された場合には、行政上及び刑事上の責任を問われない
 とすること。

3.法人の破産手続開始の決定の特例
  特定非常災害により債務超過となった法人に対しては、支払不能等の場合を除き、
 令和3年10月9日まで破産手続開始の決定をすることができないこと。

4.相続の承認又は放棄すべき期間の特例
  特定非常災害発生日(令和元年10月10日)において、令和元年台風第19号に際し
 災害救助法が適用された区域に住所を有していた相続人については、相続の承認又は
 放棄をすべき期間を令和2年5月29日まで伸長すること。

5.民事調停法による調停の申立ての手数料の特例
  特定非常災害発生日において、令和元年台風第19号に際し災害救助法が適用された
 区域に住所等を有していた者が、今般の災害に起因する民事に関する紛争について、
 令和4年9月30日までの間に民事調停法による調停の申立てをする場合には、
 申立手数料を不要とする。

さて、「特定非常災害」の指定とは別に、発生した災害が「激甚災害」に指定されることがあります。
激甚災害の指定は、地方財政の負担を緩和し、又は被災者に対する特別の助成を行うことが特に必要と認められる災害が発生した場合に、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づいて行われます。
激甚災害に指定されると、地方公共団体の行う災害復旧事業等への国庫補助のかさ上げや中小企業事業者への保証の特例など、特別の財政援助・助成措置が講じられます。
今年8月~9月にかけて発生した一連の台風は激甚災害に指定されており、台風19号についても激甚災害に指定される見込みとなっています。

▼詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。
・総務省
「令和元年台風第19号による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」の公布・施行について」(令和元年10月18日)
http://c1c.jp/1882/DxX7Ev/61
・内閣府
「激甚災害制度」
http://c1c.jp/1882/3fRUyY/61

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